古くは子供を災厄から守る身代わりとして、また贈り物や土産物として長く親しまれてきた「日本人形」。
- 家に飾ってある日本人形を処分したい
- 遺品整理や断捨離の際に、古い日本人形が出てきた
という場合に、「ゴミとして捨てるのには抵抗がある」「捨てたら何か災いがあるのでは?」と不安になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、日本人形の処分方法をはじめ、なるべく高く売る方法、供養や寄付の仕方について詳しく解説します。
近くに人形供養を依頼できる神社・お寺がない!
でも、一日も早く人形を手放したい…
そんな方におすすめなのが、「神社のお焚き上げ」サービスです。
神社のお焚き上げなら、人形を箱に詰めて神社に送るだけ。
日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社で、最短1.5ヶ月で供養・お焚き上げしてもらうことができます。
✅ ガラスケースなど不燃物も受付可能
✅ 人形以外も受付可能
✅ クレジットカード、オンライン決済可
寺社への持ち込みが面倒な方、今すぐ人形を手放したい方はぜひ活用してみてください。
日本人形はゴミとして捨てても大丈夫?
日本人形は一般の家庭ごみとして処分することができます。
必ずしも供養が必要ではありませんが、人形には人の念が篭りやすいため、ゴミとして処分するのに抵抗がある場合は、供養を行うのがベターです。
日本人形をごみとして捨てる場合は、必ず自治体のルールに従って分別して廃棄してください。
日本人形を無料で引き取ってくれる所はある?
日本人形を供養・処分する際には、少なからず費用がかかるものです。
無料引き取りを行なっている人形専門店や業者はありませんが、例えば以下のような方法で、比較的安く手放すことができます。
- 知人・友人に譲る
- 掲示板で貰い手を探す
- 寄付する
人形を寄付する場合や、貰い手が遠方に住んでいる場合は送料がかかる可能性があります。
また、希少価値のある日本人形であれば、買取業者に査定を依頼し、買い取ってもらう方法もあります。
日本人形を捨てる前に供養は必要?
日本人形には様々な種類が存在しますが、そのルーツは縄文時代の土偶にまで遡ります。
平安時代に子供の身代わりとして「天児」という人形を枕元に置く風習が始まり、現在の雛人形や日本人形に姿を変えていきました。
そのため子供の成長を願って身代わりとして購入した日本人形は、丁寧に供養してから処分すると良いでしょう。
また、人形師が一つ一つ思いを込めて製作した日本人形には、厄除けや健康、長寿などの願いが込められていることが多く、人形を作った人・贈った人の思いが篭っている場合があります。
そうした人の気持ちが込められた人形を手放す際には、供養することで安心して手放すことができます。
日本人形の処分方法
人形を送るだけ「神社のお焚き上げ」がおすすめ
祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)が行なっているお焚き上げサービス「神社のお焚き上げ」では、全国どこからでも、スマホで簡単に人形供養を依頼することができます。
供養の手順は以下の通り。
- サイトから「お焚き上げキット」を購入する
- お焚き上げキットが自宅に届く
- 箱に人形を詰めて神社に送る
- 神社で供養・お焚き上げを実施
- お焚き上げ完了後、「お焚き上げ証明書」と「ご祈祷動画」がメール(または郵送)で届く
費用は箱のサイズにより異なりますが、3辺(高さ/幅/奥行)の合計100cm以内の場合、「ボックスタイプ」のキットで7,480円税込〜供養できます。
個数制限はなく、1つの箱に複数の物まとめて入れることができるので、人形以外にも供養したいものがある場合は一緒に送りましょう。
また、日本人形以外にも供養したい人形やぬいぐるみがある場合は、人形専用の「人形供養キット」(14,900円税込〜)がおすすめ。こちらも個数制限はなく、1箱分の人形・ぬいぐるみをまとめて供養してもらうことができます。
便利な「箱付きキット」もあり、届いたダンボールにそのまま人形を入れて送ることができます(テープは付属しません)。
ガラス・陶器など不燃性のものも受け付けているので、ガラスケース付きの人形も分別せずそのまま送れるのも嬉しいポイントです。
古い人形の処分にお困りの方は、ぜひ「神社のお焚き上げ」サービスの利用を検討してみてください。
日本人形協会の供養代行サービスを利用する
一般社団法人日本人形協会が行なっている「人形供養サービス」では、全国どこからでもゆうパックで送るだけで人形供養を依頼できます。
回収された人形は、毎年10月に東京大神宮で開催される「人形感謝祭」で供養・お焚き上げしてもらうことができます。
料金は1箱につき一律5,000円で、発送元の都道府県に応じたゆうパック料金がかかります。
供養代行サービスの申込・供養手順
- 電話またはWEBサイトで申込む
- お人形差し出しキットが送られてくる
- 人形を箱に入れて送る
- 同梱されている払込取扱票で料金を支払う
- 人形供養祭で供養が行われる
- 供養後、はがきでお知らせが届く
1箱あたりの上限サイズ:
3辺(縦+横+高さ)の合計が170cm以内、重量30kg以内
人形に付属するガラスケース等は受け付けていないため注意が必要です。
人形供養祭・感謝祭に持ち込む
明治神宮(東京都)、四天王寺(大阪府)など、年に1回「人形供養祭」や「人形感謝祭」を開催している神社やお寺が全国にあります。
近隣に人形供養祭・感謝祭を開催している寺社があれば、直接人形を持ち込み、供養してもらう方法もおすすめです。
開催時期は春または秋が多く、寺社によって開催日時が異なるため、タイミングを合わせて申し込み、参加する必要があります。
供養料は寺社により異なり、人形1体につき1,000〜5,000円程度が相場です。
中には「お志」と記されている場合もありますが、その際にも感謝の気持ちを表すために1,000〜5,000円ほど包むのが一般的です。
神社・お寺にお焚き上げを依頼する
人形供養祭・感謝祭に持ち込む以外にも、通年で人形供養を行なっている神社・お寺に直接依頼する方法もあります。
菩提寺がある場合は相談してみるのも良いでしょう。中には郵送を受け付けている寺社もあります。
供養料は寺社により異なりますが、人形1体につき1,000〜5,000円程度。郵送の場合は5,000〜1万円前後が相場になります。
買取業者・リサイクルショップで買い取ってもらう
状態が良い日本人形であれば、譲る他にも日本人形を扱っている買取業者や、リサイクルショップで査定・売却する方法もあります。
希少価値がある日本人形の場合、骨董品や美術品の専門店で査定を依頼するのも良いでしょう。
高値で売れる日本人形の特徴
- 作家もの、工芸品
- 人間国宝の作品
- 江戸時代など古い時代の人形
といった希少価値のある人形は、普通の人形と比べ高値で売れる可能性があります。また、
- 外箱
- ケース
- 説明書
- 由来書
- 着替え用の服
などの付属品が手元にある場合は、より高額で買い取ってもらえる可能性があります。
また、有名な人形作家の作品も高く売れる可能性がありますので、自宅に眠っていないか確認してみましょう。
人気・有名な日本人形作家
- 平安一水
- 加藤鞆美
- 平田郷陽
- 平田陽光
- 鹿児島寿蔵
- 野口光彦
- 岡本庄三
- 岡本卯三郎
- 佐藤丑蔵
- 山本福松
- 瀧澤光瀧斎
- 松乾斎東光
- 大木平蔵
- 永徳斎
- 岡本玉水
- 伊藤久重
- 川上南甫
- 竹内益次郎
- 藤村明光
- 藤村光環
- 松乾斎
フリーマーケットやアプリ、オークションサイトで売る
「インテリアとして日本人形を飾りたい」という需要も一定数あるので、普通の人形であっても、「メルカリ」などのフリマアプリ、「ヤフオク!」などのオークションサイトで売れる可能性があります。
トラブルを防ぐため、出品時には必ず「保存状態」を記載しましょう。
また輸送途中の破損リスクもあるため、特にガラスケース付きの人形は厳重に梱包するようにしましょう。
掲示板で引き取り手を探す
人形を買取業者に持ち込んだり、フリマアプリ等へ出品するのが面倒、という方は、「ジモティー」などの地域掲示板で貰い手を探す方法もおすすめです。
自分の住んでいる地域の近くで貰い手を探せるほか、遠方の場合も貰い手が引き取りに来てくれたり、送料を負担してくれる可能性があります。
掲示板で呼びかける場合も譲渡後のトラブルを防ぐため、保存状態や現物の写真などを最低限記載するようにしましょう。
寄付する
人形の寄付を募っている福祉施設や児童養護施設、ボランティア団体、幼稚園・保育園などに寄付する方法もあります。
NPO法人グッドライフが運営する「セカンドライフ」では、日本人形の寄付を募っており、1箱2,100円から寄付を申し込むことができます。
回収された人形は、国内または海外で必要としている人々の手に渡り、再利用してもらうことができます。再利用が困難な場合は処分されます。
また、人形の寄付がワクチン募金となる仕組みもあり、1箱につき2件のポリオワクチンが発展途上国の子供たちに寄付されます。
人形を必要な人に使ってもらえるだけでなく、社会に貢献できる仕組みとなっています。
友人・知人に譲る
状態の良い日本人形で、周りに貰ってくれそうな友人・知人がいる場合は、譲渡を検討しても良いでしょう。
子供の成長を願って、また厄除けのために購入した人形は、その人形についた「厄」も一緒に渡す形になってしまうため、お下がりはNGです。
どうしても譲りたい場合は、神社やお寺で厄祓いをしてから譲るようにしましょう。
自治体のごみ収集に出す
人形を最も簡単に手放す方法は、自治体のごみ収集に出す方法ですが、人形は人の思いや念が篭りやすいため、あまりおすすめできません。
紙・木・布など、可燃性の素材でできている日本人形は、可燃ごみとして出すことができます。また大きなサイズのものも、解体すれば可燃ゴミとして処分できます。
陶器・金属・石膏などでできた日本人形は、不燃ごみに出しましょう。
ガラスケースは自治体により、不燃ごみに分類される場合と、粗大ごみとして分類される場合があります。
多くの自治体では、1辺あたりの長さが30cm以上の物が粗大ゴミに分類されていますが、捨てる前に必ず自治体のルールを確認しましょう。
粗大ゴミの回収には手数料が発生します。自治体・サイズ・品目により異なりますが、手数料は200円〜2800円程度が目安となります。
最近では人形を塩で清め供養する方法なども紹介されていますが、これは正しい供養方法ではありません。人形を供養したい場合は、必ず神社やお寺に依頼しましょう。
不用品回収業者・遺品整理業者に依頼する
遺品整理などで、日本人形以外にも処分したい物が大量にある場合は、不用品回収業者や遺品整理業者への依頼を検討しましょう。中には、神社やお寺と提携して供養サービスを行っている業者もあります。
不用品回収業者の場合、費用は軽トラック1台分で8,000円〜1.5万円。遺品整理業者の場合、作業人数や時間により異なりますが、1R・1Kの間取りで3~8万円が相場となります。
悪質業者によるぼったくりなどのトラブルに巻き込まれるリスクもあるため、「一般廃棄物処理業許可」や「古物商許可」などの資格を持っている業者に依頼するようにしましょう。
日本人形を処分する際の注意点
自治体のルールを守って捨てる
自治体のごみ回収に日本人形を出す場合は、必ずその自治体のルールに従って処分しましょう。
木や紙、布でできた日本人形の大部分は燃えるごみに分類されますが、金属や陶器、石膏などが使われている場合、燃えないごみとして分別する必要があります。
またガラスケースは、自治体によって不燃ごみに分類されるケースと、粗大ごみに分類されるケースがあります。
多くの自治体では30cm以上のガラスケースは粗大ごみに分類されるため、捨てる前に必ず確認しましょう。
譲るor寄付する場合は綺麗に掃除しておく
日本人形を人に譲るor寄付する場合は、譲渡後のトラブルを防ぐため、また、人形への感謝の気持ちを込めて、掃除・手入れをしてから手放すようにしましょう。
人形に素手で触ると手垢や手汗がついてしまい、跡が残ってしまう可能性があるため、薄い手袋をはめて、羽箒や柔らかい筆でホコリを落とすと良いでしょう。
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