五月人形の処分方法、捨てるタイミングは?供養は必要?

五月人形 コラム

男の子が健やかに育つことを願って飾る「五月人形」。

お子さんが成人した後も「処分のタイミングが分からない」「処分するのに抵抗がある」といった理由で飾り続けている、あるいは自宅に保管したまま、というご家庭も多いのではないでしょうか?

本記事では、五月人形の正しい処分方法・タイミング・費用について詳しくご紹介します。

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五月人形はいつまで飾れる?捨てるタイミングは?

五月人形

五月人形には「何歳まで飾る」といった明確な決まりやしきたりはありませんが、お子さんの成人をきっかけに処分を検討するご家庭が多いようです。

古くは、子供の身代わりになる存在として重宝されており、成人の儀式にあたる「元服」まで飾られていました。元服を迎える年齢は11〜17才頃であり、現在に置き換えると非常に早い段階で独り立ちする印象があります。

一人前となった男性には、身代わりである五月人形は不要であると考えられていたようです。

現代でも成人するという意味では、20才まで飾るケースが一般的でしょう。

近年は成人年齢が18才に引き下げられているので、その頃に処分しても問題ありません。年齢に関わらず、

  • 就職したタイミング
  • 一人暮らしを始めた
  • 結婚した

など、お子さんの独り立ちをきっかけに処分する家庭も見られます。

処分するタイミングに迷ったときは、こうしたライフステージの変化と共に処分を検討するとよいでしょう。

 

五月人形のお下がりはNG?

五月人形

本来、子供の身代わりとして飾る雛人形や五月人形のお下がりはご法度とされています。

五月人形の本来の目的として、子供の「身代わり」のために飾られる人形であることから、子供に降りかかる災難や厄を五月人形が背負っていると考えられています。

こうした背景を踏まえると、いくら親しい間柄だとしても、五月人形をお下がりとして譲ることは相応しくないでしょう。

とはいえ、必ずしも昔の風習に従う必要はありません。

五月人形は、決して安い買い物ではありません。子供が元気に育ってほしいという願いを込めて用意するものであり、気合いを入れて豪華なものを購入する方も多いでしょう。

よい品であればあるほど、処分してしまうのはもったいないと思うものです。できれば、兄弟や親族、近しい友人などに譲りたいと考える方もいるのではないでしょうか。

伝統を理解した上で、現代の暮らしに見合った取り入れ方をすることをおすすめします。

 

五月人形を捨てる前に供養は必要?

五月人形

子供が成人を迎え、不要になった五月人形をすぐに処分していいものか悩んでいる方も多いでしょう。

長年、子供を災厄から守ってくれていた五月人形を処分する際には、できるだけ「供養」してから処分することをおすすめします。

五月人形の供養は、これまで子供の身代わりとなってくれたことへの感謝を伝える意味があります。

例えば、神社の納札所に返納されたお守りやお札は、神様への感謝を込めて神社で供養・お焚き上げをしますが、五月人形も同じようなイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。

子供が誕生した年から毎年飾ってきた五月人形は、家族にとっても思い出深いものです。そのため「ゴミとして処分してしまうのは気がひける」という方も少なくありません。

きちんと供養をすることで、気持ちに区切りをつけることができ、気持ちよく処分することができます。

安心して手放すためにも、五月人形は丁寧に供養をした上で、感謝の気持ちを込めて処分することが大切です。

 

五月人形の処分方法

自治体のごみ収集に出す

五月人形を自治体のごみ収集に出す場合は、必ず地域の分別ルールに従って処分してください。

自治体によって処分方法が異なるので事前に確認しておくことが大切です。

一般的には、金属部分が不燃ゴミ、木や布で作られた部分が可燃ゴミに該当します。サイズの大きな五月人形は、粗大ゴミに分類されるケースもあるので注意しましょう。

処分する前に五月人形を出して一度飾り、綺麗に掃除をしてから処分すると良いでしょう。

 

人形供養祭・感謝祭に持ち込む

人形供養祭 感謝祭

五月人形を供養したい場合は、お寺や神社が年に1回程開催している「人形供養祭」や「人形感謝祭」への持ち込みを検討しましょう。

人形供養祭・感謝祭では、五月人形だけでなく雛人形やぬいぐるみ、こけしなどさまざまな人形を受け付けています。持ち込まれた人形は、寺社で供養され、その後産業廃棄物として処理されます。

費用は寺社により異なりますが、5,000〜1万円程度が相場となります。

寺社により開催日時が異なるため、事前に確認し、タイミングを合わせて持ち込む必要があります。

また、供養の対象となるのは人形本体(兜も含む)となるため、屏風や台座、刀などの道具類は自分で処分する必要があります。

 

日本人形協会の「供養代行サービス」を利用する

日本人形協会

日本人形協会が行なっている「供養代行サービス」では、不要になった五月人形を送るだけで供養してもらうことができます。

供養代行サービスは年間を通して実施されており、時期を問わず依頼できます。集まった人形は、日本人形協会の毎年10月頃に東京大神宮で開かれる人形供養祭で丁寧に供養されます。

ただし、供養の対象になるのは「人形本体のみ(兜も含む)」になります。鎧や屏風・台座、刀などの道具類は受け付けていないため、別途ゴミとして処分する必要があります。

人形感謝(供養)代行サービス料金は、ゆうパック料金込みで1箱5,000円です。

「供養代行サービス」の申込・供養手順

  1. 電話またはWEBサイトで申込む
  2. お人形差し出しキットが送られてくる
  3. ぬいぐるみを箱に入れて発送する
  4. 同梱されている払込取扱票で料金を支払う
  5. 人形供養祭で供養が行われる
  6. 供養後、はがきでお知らせが届く

1箱あたりの上限サイズ:
3辺(縦+横+高さ)の合計が170cm以内、重量30kg以内

 

神社・お寺にお焚き上げを依頼する

お寺 菩提寺

近くに人形供養祭・感謝祭を行なっている寺社が無い場合は、通年でお焚き上げ供養を受け付けている寺社に直接依頼する方法もあります。

費用は寺社や五月人形のサイズによっても異なりますが、五月人形1体につき数千〜1万円前後が相場となります。

人形供養祭・感謝祭が他の人形とまとめて行う合同供養なのに対して、個別で1つの人形だけの供養うを行なってくれる寺社もありますので、より丁寧に処分したいという場合にもおすすめです。

人形本体(兜含む)以外の道具類(屏風・台座・刀など)は受け付けていない寺社もあるため、事前に確認してから依頼するようにしましょう。

 

お焚き上げ専門サービスを利用する

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  • 近くに人形供養祭・感謝祭を開催している寺社がない
  • 近くにお焚き上げ供養を受け付けている寺社がない
  • 今すぐ五月人形を供養・処分したい

という場合におすすめなのが、神社やお寺と提携し、通年でお焚き上げ供養を受け付けている「お焚き上げ専門サービス」です。

全国どこからでも、五月人形を送るだけで神社・お寺で供養してもらえます。

神社やお寺に直接供養を依頼する場合は、料金が不明瞭で手間がかかるイメージがありますが、お焚き上げサービスはパソコンやスマホから簡単に注文ができ、預ける物の種類やサイズごとにプラン・料金が設定されているため、スムーズに供養を依頼することができます。

また、人形供養祭に持ち込む場合も、寺社に直接依頼する場合も現金支払い(郵送の場合は銀行振込または現金書留)になるのに対して、お焚き上げサービスはサイト上で依頼が完結するため、クレジットカードでの支払いが可能です。

無料で供養の様子を撮影した動画を送ってくれるサービスもあり、家にいながら簡単に人形供養を依頼することができます。

お焚き上げサービスの申込・供養手順

  1. サイトからお焚き上げを申し込み、決済を行う
  2. お焚き上げ用のキット(返送用封筒・伝票)が届く
  3. 専用封筒やダンボールに五月人形を入れて送る
  4. 神社またはお寺で供養・お焚き上げが行われる
  5. お焚き上げ完了後、通知メール(またはハガキ)が届く

 

五月人形を人に譲りたい・売りたい場合

五月人形

大切に飾ってきた五月人形を兄弟や親族などに譲りたい、もしくは必要とする方に譲りたい・売りたいと思う方も少なくありません。

基本的に、五月人形は子供の身代わりとなって災厄を請け負ってくれる存在ですので、そのまま別の人に譲ってしまうと、いわゆる「厄移し」という状態になり縁起のいいものではありません。

譲ってもらう側も気持ちよく受け取ることができないでしょう。

こうした背景を含めると、一度飾ったものを他人に譲る行為はおすすめできません。

とはいえ、昔のような厳密なしきたりに縛られる必要もないため、どうしても処分できない場合は神社やお寺で「厄払い」をしてから譲るようにしましょう。

譲った後のトラブルを防ぐため、譲る相手にも五月人形の謂れを理解してもらい、双方が納得した上でお下がりにすることが大切です。

 

処分せずにインテリアとして飾り続けてもOK

五月人形

現代の五月人形は、純和風なものから洋風な家にもマッチするタイプまで様々なバリエーションがあります。デザインが気に入っていて処分したくないという方も多いでしょう。

一般的に、五月人形は子供が成人を機に処分するものですが、伝統を気にしない場合は自宅でインテリアとして飾り続けるのもひとつの手段です。

本人やご家族が納得した上で飾るのであれば、特に問題はありませんので、役目を終えた五月人形を大切に飾ってあげてください。

 

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